ある日、私は自宅で園子温の『恋の罪』というサスペンス映画を観ていた。 この映画は、実際に渋谷区のホテル街で起こった「東電OL殺人事件」という未解決殺人事件を題材としている作品なのだが、事件に興味を持った私は映画を観終わった後、東電OL殺人事件について調べたのだ。 事件の詳細が載っているWEBサイトを見ていると、私はある写真に注目した。 その写真には『女性が殺害されたアパート』と記されているのだが、そのアパートの一階部分が酒場となっており、さらに”まん福亭”という店名もしっかりと確認できたのだ。 とんでもないところに酒場があるなと思っていたが、さらに調べるとこの殺人事件が発生する前から営業しているらしい。 ──まだ営業しているのだろうか? 私は得体のしれない” 何か “に引きつけられるような感覚を覚え、”まん福亭”への取材を決意した。 そしてその日は来た。 夏の空が妙に暗く、じっとりと小雨が
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