手に持つと、不思議と力が沸いてくる。雲の上の人が使用していたものと同タイプだ。白木のバットを見つめる若者の目は、鋭かった。北條が、光星学院高の仲井宗基監督(42)から譲り受けた金本バットを持参して入寮。これを“お守り”に、プロの世界へと飛び込む。 「12月ぐらいに(仲井)監督からもらいました。(金本バットで)もう、何回かティー(打撃)を打っています。重いですね」 右手に握りしめたのは、昨季限りで現役を引退した金本氏モデルのバットで重さ約940キロとプロ野球選手のなかでも重たいタイプだ。試合では使わない。これからは寮の自室に置いて素振り用として、大切に使っていく。壁にぶち当たったときは鉄人のバットを見つめ、握りしめる。心強い“お守り”からパワーをもらい、また、立ち向かっていく。そして、いつか金本さんのようになりたい-と。 昨年12月下旬に実家のある大阪・堺市に帰省した北條。その数日前、仲井監