生きて暮らして他人と接していれば、他人に対して、勝手に自分の思い込みや思い入れを重ねてしまうことはどうしてもあるってものだ。程度の差はあれ。 しかし、その相手と何度も接していると、そういった自分の思い込み、思い入れは実際のその人とは異なっている、違っている、ということに気づくこともまた多い。 大抵の場合は、そこで、ああ、そうか、私が勘違いしていたんだな、勝手に思い込んでいたんだな、と思って、自分の中での「その人像」を修正する。何度も微修正しつつ、関係が続いていく。 どうして自分の思い込みと違うと気づくか、というと、これはけっこう細かい状況の積み重ねだったりする。 日常の生活の中では、面と向かって議論するとか、意見交換するとかいう機会はあまりない。むしろ、なにげない普通の会話の中で「あ、この人こういう人なのか」と気づいたり、ちょっとした行動や表情で「こういう時はこういうふうに思う人なんだな」