この本に書かれていることの中で、自分が一番共感したのはこの言葉だ。 僕は生きて成長していく過程の中で、試行錯誤を重ねつつ、僕自身のやり方をなんとか見つけていきました。トロロープさんはトロロープさんのやり方を見つけ、カフカさんはカフカさんのやり方を見つけました。あなたはあなたのやり方を見つけてください。身体的な面においても精神的な面においても、人それぞれに事情は違っているはずです。人それぞれに、それぞれのセオリーがあるでしょう。 (引用元:「職業としての小説家」村上春樹/新潮社/P207) 続けて「その中で自分のやり方がいくばくかの普遍性があって、誰かの参考になればそれはそれで嬉しい」と続く。 この本は「30年以上小説家としてあり続けるための」村上春樹個人の方法論が書かれた本だ。 本人が書いている通り、村上春樹でない人にとってその方法論がどこまで役に立つのかは分からない。ただ役に立つかどうか