日本以外ありえない 「一気に全曲」演奏、なぜ挑む2009年12月5日 ■故岩城さんが先駆け 完奏後に感動 「第九」や「メサイア」のポスターが街中に躍り出し、年末気分も高まってきた。これら日本の風物詩にここ数年、新手の「売れ筋」が加わっているのをご存じだろうか。ベートーベンの交響曲の一挙上演を筆頭とする「一気に全曲」企画だ。時に苦行に近い思いをしてまで、演奏家も聴衆も、なぜ挑むのか。 ◇ 東京・上野の東京文化会館で大みそかに、ベートーベンの交響曲や室内楽曲が一挙上演される。大ホールでは2007年から、指揮者の小林研一郎さんが交響曲全曲演奏を繰り広げている。演奏はNHK交響楽団の有志メンバーなど。午後2時に始まり、「第九」が終わるころにはすっかり年明け。毎年盛況で、今年も完売の見込みだ。 「一曲を追うごとに、拍手の熱狂も度を増していく。『もっともっと密度の濃い世界を見せてくれ』と言われている気