リズムダンスで和の世界観を表現した村元哉中・髙橋大輔カップルこの記事に関連する写真を見る 11月13日、東京。グランプリ(GP)シリーズ第4戦、NHK杯の会場では、日の丸の国旗とふたりを応援するバナーが翻っていた。歓声が禁じられたじれったさもあるのか、なんとか感動を伝えようと心を打つ拍手が鳴った。熱気をまとった観衆は堪えきれず、一斉に立ち上がっていた。 「ごめん!」 まだ荒い息遣いで、髙橋大輔と村元哉中のふたりはほとんど同時に謝り合った。最後のリフト、わずかにバランスが崩れた。しかし悔しさはあっても、ふたりは笑顔だった。 「自分たちは毎回毎回、100%を出すしかない」 髙橋はその覚悟で臨んでいた。 「たとえミスがあっても焦らず動じず、落ち着いて滑れるようになってきました。積み上げてきた練習があるので、自信を持って」 村元は手応えを感じていた。 その結果、"かなだい"という呼び名で親しまれる