米男子バレーボールチームのコーチの親類らが殺傷された観光施設「鼓楼」(後方)の調べを終えた警察官=9日午後、北京市内(共同) 【北京=福島香織】五輪が開幕したばかりの北京で9日に発生した米国人観光客への襲撃事件は、150万人態勢の厳重な警備で臨んだ北京市公安当局に大きな衝撃を与えている。犯行理由などは捜査中だが、犯行の背景や状況次第では中国側の責任問題にも発展しかねない。 五輪開幕に先立ち、国営中国中央テレビは「五輪の治安維持は失敗が許されない挑戦だ」「シドニー五輪、アテネ五輪よりも警備は厳重だ」との馬振川・北京市公安局長の見解を伝えていた。当局は、五輪を前に中国各地でバス爆破事件などが相次ぐなかにあっても警備に自信を示し、外国からの観光客などの安全を守ることは、国家のメンツをかけた重要な任務だとし位置づけていた。 公安当局によれば、解放軍の対テロ特別部隊のほか、全国から集めた精鋭の警察官