多国籍化が常態となった大相撲で、これまで1人もいなかったアフリカ出身の力士がついに誕生する。昨年12月26日に行われた新弟子検査を、エジプト人のアブデルラフマン・シャーラン(19)=大嶽部屋=が受検。体格検査をクリアし、内臓検査の結果と興行ビザの取得を待って、今年3月の春場所で初土俵を踏む予定だ。アマチュアの世界大会で活躍した実力の持ち主ながら、果たして、戒律の厳しいイスラム教徒は大相撲の独特の世界で生きていけるのか-。「アフリカ初」となる力士の可能性を探った。(宝田将志)譲れない食事のルール イスラム教徒には「五行」と呼ばれる五つの義務が課せられている。 その一つが礼拝だ。1日5回、聖地メッカの方角に向かって行われる。そして、断食もある。イスラム暦の第9月(ラマダン、断食月)の1カ月行われるもので、この間は日の出からから日没まで一切の飲食を断つことになる。 もちろん、これらを厳格に順守す