学生時代、障がい者に対して行っていた“イジメ発言”が大炎上し、2021年7月から音楽活動を自粛していたミュージシャンの小山田圭吾が活動を再開した。今夏はフジロック、ソニックマニアという2大フェスに同時出演。その異例ともいえる復活劇の背景と、一方的に切り取られた情報がネット空間で大炎上したプロセスを、批評家の片岡大右氏が3回にわたって検証する。 異例の措置による活動再開 昨年7月、東京五輪・パラリンピック開会式の音楽制作担当者の一人として小山田圭吾氏が告知されるや、ただちに学校時代のいじめをめぐる1990年代の雑誌での発言がSNSで取り沙汰されることとなった。そしてそれは度重なる報道を通していっそう広く周知されるに及び、ついには辞任を余儀なくされたことは、いまだ多くの人の記憶に新しいことと思う。 五輪だけではない。長らく音楽を担当してきたNHK Eテレの人気番組「デザインあ」は放送休止、音楽