あの忌まわしい事件からどれほど経っただろう。俺たちの旅がいつまで続くのか、それは俺たちにもわからない。俺たちの目的はそれぞれ違うが、そんなことは大した問題では無いのかも知れない。正体のわからない魔王が触手を伸ばしてくる世の中では、きっと、俺たちは旅に出ないわけにいかないのだ。 ヨウスケは、生き別れたエッチなアニメ顔の妹を探している。ヨウスケは一人っ子でそうした記録も気配もなかったが、そういう文献(そう、エロゲーやライトノベルだって立派な文献だ)を読むことで、その事実を知ったのだ。幻想と現実の垣根が崩れた現代では、お兄ちゃんが大好きでドスケベなアニメ顔の妹と生き別れていない可能性のパーセンテージは、100に達することは無い。 「きっと見つかるさ」 「あいつは本当にエッチなんだ」 「ああ」 「俺に対してだけ、凄くエッチなんだ。俺があいつのプリンを食べると、あいつは俺にエッチな罰を与えようとする