多くの業務システムの開発プロジェクトで,データモデリングが行われています。しかし,皆さんはデータモデリングの「本当の目的」を理解しているでしょうか? ひょっとしたら,「よく分からないけれど,成果物としてER図やテーブル仕様書をそろえればいい」くらいに考えていませんか? この連載では,要件定義の工程におけるデータモデリング,それも,実装を意識せずに業務のデータ構造を表す「概念データモデル」に注目して,現場で役立つ実践的なモデリングの方法を解説していきます。 まずは,下記の事例から見ていきましょう。 ケース1 電子部品販売事業を展開するA社が,基幹システムをリプレースするプロジェクトをスタートさせたのは2年前。同社の情報システム部門は,業務の効率化と保守性の向上を目標に掲げ,業務分析とドキュメント化を進めました。もちろん,新システム導入後の業務について業務フロー図(図1)を作成し,必要な画面を
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