カレーチェーン店の「CoCo壱番屋」を展開する壱番屋が廃棄した冷凍ビーフカツの流出を端緒として、廃棄物処理・リサイクル業者ダイコー(愛知県稲沢市)の廃棄食品横流し事件が波紋を広げている。排出事業者として、マルコメみそ、ニチレイフーズ、セブン&アイ・ホールディングス、ローソン、イオンなど大手食品製造・流通企業の名前が次々と挙がっているからだ。 1999年に発覚した日本最大規模の不法投棄事件である「青森・岩手県境不法投棄事件」を思い出した読者もいるだろう。当時、青森県と岩手県は、不法投棄を実行した廃棄物処理業者だけでなく、マニフェスト(産業廃棄物管理票)などから判明した排出元の企業に対しても、廃棄物を現場から撤去する「措置命令」を出した。企業にとっての廃棄物管理の重要性がクローズアップされた事件だった。 今回の横流し事件では、生活環境保全上の支障が起きなければ措置命令の対象になる可能性は低いと