両面宿儺(りょうめんすくな)は仁徳天皇の時代の飛騨に現れたとされる異形の人物、もしくは鬼神である。『日本書紀』において武振熊命に討たれた凶賊とする一方で、岐阜県においては毒龍退治を行ったり、寺院の開基となった豪族とする伝承も残されている。 『日本書紀』の記述[編集] 『日本書紀』仁徳天皇65年の条に両面宿儺が登場する。 六十五年 飛騨國有一人 曰宿儺 其爲人 壹體有兩面 面各相背 頂合無項 各有手足 其有膝而無膕踵 力多以輕捷 左右佩劒 四手並用弓矢 是以 不随皇命 掠略人民爲樂 於是 遣和珥臣祖難波根子武振熊而誅之 (現代語訳) 六十五年、飛騨国にひとりの人がいた。宿儺という。一つの胴体に二つの顔があり、それぞれ反対側を向いていた。頭頂は合してうなじがなく、胴体のそれぞれに手足があり、膝はあるがひかがみと踵がなかった。力強く軽捷(けいしょう)で、左右に剣を帯び、四つの手で二張りの弓矢を用