「人種差別も極右も フランスより少ない」 この言葉はフランスにおいて、今回「移民選別法案」を審議するにあたってのサルコジ内相の言葉である。 「移民選別」は不法移民や人種差別を助長するとの批判に対し、内相は「(移民選別を)実施している国では人種差別も極右もフランスより少ない」と反論、法案成立の必要性を強調した。 そもそも、この法案がなぜ審議され国会に法案として挙げられたかは、昨年フランス全土で起きたイスラム系移民の暴動にある。この問題を放置するなら、フランス社会は間違いなく内乱の危機に見舞われ、極右勢力が政権を奪取したであろう。 それを恐れた保守勢力は社民勢力などにも呼びかけ、仏語習得や非宗教など「フランス共和国の原則への合致」を絶対条件とした、厳しい法案によってこれを押さえ込もうとしている。 この法案自体には極右勢力も本音の部分では反対ではないだろう。フランスの極右はルペン党首(国民戦線)