「これが戦地でなくて何でしょうか。怖くて身震いまでします」 慶尚北道浦項(キョンサンブクド・ポハン)地域の専門建設労組がポスコ本社を占領してから1週間目の20日。 雨まで降る浦項市内は物寂しい雰囲気だった。浦項市南区(ナムグ)クェドン洞のポスコ本社の方に向かっていた50代のタクシー運転手は、「一生住んできた故郷が修羅場になってしまって、本当に物悲しい。仕事に差し支えがあるのが問題でなく、この切ない現実が心配だ」と言った。 浦項鉄鋼工業団地にあるポスコ本社は、硬い感じがする浦項製鉄所とは違って、森に取り囲まれていて公園のような感じがしたが、労組員たちの占拠で、完全に荒地と化していた。 労組員1000人あまりが占拠している5〜12階のガラス窓には、「決死闘争」など檄文が貼られており、建物の周辺は汚物とゴミでいっぱいだった。 労組員たちはゴミと糞尿、水を盛ったプラスチック飲料水、建物の壁から取っ