ニセ科学とは、科学でないのに科学を装うことで、人を騙す学説や商品のことをいう。さらに、そのような学説や商品をニセ科学として摘発し、クレーム申し立てをすることをニセ科学批判と呼ぶ。ホメオパシー、マイナスイオン、水からの伝言、血液型性格判断などがニセ科学批判の対象とされ、ニセ科学批判運動が盛んにネット上を中心に行われてきた。そして、対抗レトリックとしてニセ科学批判批判も形成され、ネット議論を盛り上げてきた。 ニセ科学批判はしばしば「水からの伝言」のような非科学と簡単に分かる対象を標的にばかりしているという批判を受けてきていたが、今回、それを覆すようなニセ科学批判が現れた。それが、医師内海聡氏による精神医学(特に薬物療法)に対するニセ科学批判である。同氏の著作「精神科医は今日も、やりたい放題」における精神医学に対する批判は、ニセ科学批判という言葉は使用していないものの、内容はニセ科学批判そのもの