過疎化と高齢化に直面した地域に若者を引き寄せるにはどうすればいいのでしょうか。世界遺産・石見いわみ銀山のそばにある人口400人の町、島根県大田市大森町では、若者の移住が増え、ベビーラッシュが起きているといいます。町内の古民家再生やアパレル、飲食、宿泊事業を行う石見銀山生活文化研究所所長の松場登美さんの取り組みを紹介します――。 ※本稿は、松場登美『過疎再生 奇跡を起こすまちづくり 人口400人の石見銀山に若者たちが移住する理由』(小学館)の一部を再編集したものです。 大森町はベビーラッシュ 若い人たちが当社に興味を持って、移住者が増え始めたのは10年前ぐらいのことでしょうか。現在、U・Iターンしてきた若者は、大森町で働く我社の社員の3分の2を占めます。単身でやってきた人だけでなく、家族でやってきた人やここで結婚して家族が増えた人もいます。 大森町は当社だけでなく、義肢装具の製造を行っている