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ブックマーク / natgeo.nikkeibp.co.jp (146)

  • 15年間植物状態の男性の意識を回復、定説覆す

    迷走神経刺激の前と後(Pre-VNSとPost-VNS)に、植物状態の患者の脳内でどのように情報の共有が増加したかを表すイラストレーション。(PHOTOGRAPH BY CORAZZOL ET AL) 植物状態が1年以上続いた場合、症状は恒久的とみなされ、回復の見込みはないと考えられてきた。 だからこそ、自動車事故後に15年間植物状態だった男性が意識を取り戻したというニュースは驚きを持って受け止められた。脳は、そのように機能するはずがないのだ。 フランスの研究者が、ある装置を35歳の患者の胸部に埋め込み、迷走神経に電気を流し刺激した(VNS)。迷走神経とは、頸部を通り腹部まで伸びる脳神経で、覚醒や注意に関係している。 この刺激療法を毎日1カ月間続けた結果、あらゆる望みが断ち切られていた男性は、驚くべき回復を見せた。この研究は、9月25日付けの科学誌「Current Biology」に発表さ

    15年間植物状態の男性の意識を回復、定説覆す
  • カモのペニス、ライバルがいると長くなると判明

    アカオタテガモ(Oxyura jamaicensis)のオスは、体の長さに匹敵する巨大なペニスを持っている。(PHOTOGRAPH BY MARESA PRYOR, NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE) 生物学者のパトリシア・ブレナン氏は屋外の大きな鳥小屋を歩いている。彼女は1羽のカモを網で捕まえると、あおむけにして腹部に圧を加えた。「どこを押せばいいかわかっていれば、ペニスを飛び出させることができます」とブレナン氏は説明する。「彼らはとても協力的です。ここにいるオスたちはもう慣れていますから」(参考記事:「男性生殖器に関する5つの研究」) 米国マサチューセッツ州サウス・ハードリーのマウント・ホリヨーク大学に所属するブレナン氏は、かれこれ10年以上にわたり、こうしてカモに生殖器を出させ続けている。もちろん人も想像していなかったことだし、それどころか、大学院を出るまで

    カモのペニス、ライバルがいると長くなると判明
    sawarabi0130
    sawarabi0130 2017/09/23
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  • 【動画】珍しい!全身真っ白なキリンの親子

    8月初旬、極めて珍しい、全身が真っ白なキリンの母親と赤ちゃんがケニアの保護区で確認された。発見者は、アフリカのアンテロープ(レイヨウ)の1種「ヒロラ」の保護活動を行うヒロラ保護プログラムのパトロール隊員だ。彼らが最近YouTubeに投稿した白いキリンの動画はたちまち世界中に拡散し、人々はその神々しいまでの白さに目を見張った。(参考記事:「アフリカのレイヨウ「ヒロラ」全滅危機」) ネットでは、このキリンはアルビノではとの声が多く挙がったが、実際はアルビノではなく白変種のようである。白変種では、皮膚の細胞は色素を作ることができないが、その他の器官(目など)は色素を作ることができる。これに対してアルビノでは、すべての器官で色素を作り出すことができないため、アルビノの動物はしばしばピンク色の目をしている。(参考記事:「アルビノ 白い肌に生まれて」) 白変種の動物は珍しいが、まったく知られていないわ

    【動画】珍しい!全身真っ白なキリンの親子
  • さよならカッシーニ、ついに土星衝突軌道に突入

    2009年8月、春分や秋分のように土星のちょうど半分が太陽に照らされる姿(昼夜平分)をカッシーニは初めて目撃した。太陽は土星の赤道の真上に来ている。(PHOTOGRAPH BY NASA, JPL, CASSINI) 9月15日、土星の空で輝くひと筋の光が1つの時代の終わりを告げる。NASAの素晴らしい土星探査機カッシーニが最期を迎えるのだ。(参考記事:「土星探査機カッシーニ、最終ミッションを開始」) カッシーニが土星系の探査を開始したのは2004年のこと。それから13年にわたり、土星とその衛星の周りを自由自在に飛び回り、無数の指令を実行し、45万枚以上の画像を地球に届けた。(参考記事:「土星の環から地球が見えた、NASAが写真公開」) 燃料が尽きた後も永遠に土星系を周回させたいところだが、土星の大気に突入して自分自身を破壊することが、カッシーニの最後の科学ミッションになる。 「ミッション

    さよならカッシーニ、ついに土星衝突軌道に突入
  • 奇妙な新種カエルを発見、ブタ鼻で地中暮らし

    新発見のブパティ・インドハナガエルは、成体になってからほとんどの期間を地中で過ごす。一方、オタマジャクシは滝の裏側で岩に吸い付いて4カ月間生きる。(PHOTOGRAPH BY JEGATH JANANI) インドの西ガーツ山脈で、珍しいカエルの新種が見つかった。光沢のあるうす茶色の皮膚、淡い青色で縁取られた目、そして、ブタのようなとがった鼻を持つ。 科学者たちはこの新種をブパティ・インドハナガエル(Nasikabatrachus bhupathi)と名付けた。尊敬を集めた爬虫両生類学者であり、2014年に西ガーツ山脈で命を落とした研究仲間、スブラマニアム・ブパティ博士に敬意を表した命名だ。新種として記載した論文は、学術誌「Alytes」の最新号に発表された。(参考記事:「【動画】超ミニ新種カエル7種を発見、鳴き声も」) 新たに仲間入りした両生類は奇妙な姿に見えるかもしれないが、風変わりな解

    奇妙な新種カエルを発見、ブタ鼻で地中暮らし
  • 集団で「立ち寝」をする巨大クジラ、熟睡中?

    インド洋の水深15メートルのところで眠っている、マッコウクジラの群れ。その数は30頭を超す。このように立った状態で、何分もあるいは何時間も動かずにいる。このクジラはすべてメスで、子どもたちは親が寝ている間、水面で過ごす。(Photograph by Stephane Granzotto) 森の生活共同体、平等を重んじるのどかな楽園 写真17点 潜入! スイスに残る秘密の地下要塞 写真24点 地球上で最も大きな動物の一つ、クジラが仮眠を取る姿は、かなり奇妙なものに見えるかもしれない。 マッコウクジラが集まり、水中で直立したまま動かずにいる様子をとらえた写真が、インターネット上で人気を集めている。スクールバスほどの大きさを持つこのクジラたちは、どの写真でも5、6頭の群れになって「立って」いるように見える。 フランスの写真家で映像作家のステファン・グランゾット氏が、地中海でのダイビング中に、この

    集団で「立ち寝」をする巨大クジラ、熟睡中?
  • 嘘の国を売った史上最悪の詐欺師、270人が死の入植

    ナショナル ジオグラフィックの書籍『世界をまどわせた地図』で紹介する国、島、都市、山脈、川、大陸、種族などは、どれもまったくの絵空事だ。しかし、かつては実在すると信じられていたものである。なぜだろう? それらが地図に描かれていたからだ。 神話や伝承として語り継がれていたものもあれば、探検家の間違いや誤解から生まれたものもある。なかには、名誉のため、あるいは金銭を集めるための完全な「でっち上げ」すらある。その代表例として、ここでは「ポヤイス国」の物語を紹介する。史上最悪の詐欺師グレガー・マグレガーによる嘘の国だ。 世界一の大ぼらふき、グレガー・マグレガー 1822年頃のヨーロッパは不景気の中にあり、コロンビアやチリ、ペルーなどの南米の国々はチャンスを期待する投資家たちの人気を得つつあった。それらの国の国債は利回りがよく、見逃せないもうけ話だったのだ。そんな時代に、モスキート・コースト国のジョ

    嘘の国を売った史上最悪の詐欺師、270人が死の入植
  • ブツブツ恐怖症の原因に新説、トライポフォビア

    熟したハスの花床と熟していないハスの花床。トライポフォビアのコミュニティーでは、ハスの画像がよく共有されている。(PHOTOGRAPH BY GEORGE GRALL, NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE) 小さな穴の集合体を恐れるトライポフォビアの原因に関する新たな仮説が提示された。 言葉自体は聞いたことがない人もいるだろう。だが、トライポフォビアはインターネットで最も話題にのぼる恐怖症の一つかもしれない。ギリシャ語で「穴掘り」を意味する「トライポ」と、「恐怖症」を意味する「フォビア」を掛け合わせた造語で、小さな穴や斑点などの集合体に対する恐怖を意味する。(参考記事:「【閲覧注意】一挙紹介、子どもを背負う動物たち」) この言葉が米国で広まり始めたのは2009年。米ニューヨーク州立大学オールバニ校の学生が、この恐怖症であるかどうかを自己診断できるFacebookページ

    ブツブツ恐怖症の原因に新説、トライポフォビア
  • 第5回 なんと生き物の半分近くは寄生虫!?

    の紀伊半島の川で、渓流魚が1年間に得るエネルギーの6割を寄生虫ハリガネムシに行動操作されたカマドウマから得ていたという佐藤さんの研究は、世界的にも大いに評判になった。 というのも、ちょうど寄生虫が生態系にあたえる影響について注目されている最中だったからだ。 「僕が論文を出したのは2011年だったんですが、2008年に科学雑誌のネイチャーに、寄生虫が生態系の中でものすごいバイオマス、生物量を誇ってるっていう論文が出て、注目されました。前にも世界の既知種の半数近くが寄生虫である! という推定結果が出されて、寄生虫が生態系の中で大きな役割を果たしている可能性があるということ自体は言われていたんですが、はじめて量的にも大きな割合を占めることを示したんです。カリフォルニアの塩性湿地などで徹底的に生き物を集めて、その生き物に宿ってる寄生虫を徹底的に掘り起こして重さを計ったら、その湿地にやってくるす

    第5回 なんと生き物の半分近くは寄生虫!?
  • 植物はイモムシを共食いさせて身を守る、初の発見

    底なしの欲を持つイモムシから身を守るため、イモムシたちを共い行為に走らせる能力を持つ植物が存在する。(参考記事:「カマドウマの心を操る寄生虫ハリガネムシの謎に迫る」) オンラインジャーナル「Nature Ecology and Evolution」に発表された新たな研究によると、イモムシにべられそうになった植物は、防御反応として自分の味をひどく悪くする物質を発することがあるという。イモムシは、あまりのまずさに思わず仲間のイモムシをべてしまう。 「その防御効果は極めて高く、イモムシは葉をべることにストレスを感じるようになり、こんなものをべるよりは仲間をべたほうがましだと思ってしまうのです」と、米ウィスコンシン大学マディソン校の動物学研究者で、今回の論文を執筆したジョン・オロック氏は語る。論文によると、同種のイモムシを共いに走らせるこのような防御方法は、これまで知られていなかっ

    植物はイモムシを共食いさせて身を守る、初の発見
  • 【動画】子グマ2頭を乗せて泳ぐ母グマ、貴重映像 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト

    グリズリー(ハイイログマ)は北米に生息するヒグマの亜種で、ぎゅっと抱きしめたくなるようなペットではない。けれど、たくましい母グマがもふもふの子グマ2頭を背に乗せて湖を泳いで渡る様子を見ていると、そんな常識が揺らぐだろう。 子グマを背負って泳ぐ母グマの映像を撮影したのは、米国アラスカ南西部のウッド・ティクチック州立公園で働くデビッド・ローズマン氏だ。場所は公園内の湖だった。(参考記事:「キツツキに乗るイタチ、クジラに乗るイルカほか、動物おんぶ写真一挙掲載」) 「ボートでロッジに向かっていた私は、前方に何かが浮いていることに気がつきました。30メートルも離れていなかったと思います」とローズマン氏。 氏が公園で働くようになってから21年になるが、子グマが母グマの背に乗って川や湖を渡る姿を見たことは一度もなかったという。(参考記事:「【動画】子グマ3匹が川に流された!そのとき母は」) ヒグマはがっ

    【動画】子グマ2頭を乗せて泳ぐ母グマ、貴重映像 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト
  • イヌやネコはなぜ死んだ飼い主を食べるのか

    イエローのラブラドール・レトリバー。(PHOTOGRAPH BY JOEL SARTORE, NATIONAL GEOGRAPHIC PHOTO ARK) 1997年、ドイツ、ベルリンの科学捜査官が、ある珍しい事件に関する論文を学術誌「Forensic Science International」に投稿した。事件の夜、31歳の男性が母親の家の裏庭にある、物置を改装した小屋にこもっていた。彼はそこで飼いイヌのジャーマン・シェパードと一緒に暮らしていた。 午後8時15分頃、小屋のほうで銃声が鳴ったのを、近隣の人々が耳にした。 45分後、その男性が拳銃で口を撃ち抜いて死んでいるところを母親と隣人たちが発見した。男性の手にはワルサーの拳銃が、テーブルの上には遺書が置かれていた。 その後、警察官がさらに驚くべきものを発見した。彼の顔と首の大半は消え失せ、傷の縁には歯型が付いていた。 理由はすぐにわか

    イヌやネコはなぜ死んだ飼い主を食べるのか
  • ソ連時代の鉱山、時が止まったような街と人々の暮らし 21点

    山の中にあるマンガン採鉱場にたどり着くのには、35分ほどかかった。黒海沿岸の国ジョージア(グルジア)で活動する写真ジャーナリスト、ダロ・スラカウリ氏は防護用ヘルメットをかぶり、鉱山作業員とともに、長さ13キロの鉱山鉄道に乗り込んだ。彼らが従事しているのは、世界で最も光が当たらない仕事の1つだ。 トンネルはところどころのカーブで急に狭くなるため、車両から身を乗り出すと危ない。途中で真っ暗になることもある。だがスラカウリ氏が最も閉口したのは、トンネル内の空気の悪さだった。重たく、じめじめして、圧迫感がある。「じっとしていれば慣れるよ」と、ベテランの作業員たちが慰めた。

    ソ連時代の鉱山、時が止まったような街と人々の暮らし 21点
  • ヌーの大量溺死が川を育んでいた、研究発表

    アフリカの草原を毎年、大移動するヌーの群れ。その大量溺死が、タンザニアとケニアを隔てるマラ川の貴重な栄養源になっていることが判明、学術誌「米国科学アカデミー紀要」に発表された。 大移動の意外な脅威 ヌーは群れをなし、タンザニアとケニアにまたがるサバンナを、巨大な円を描くようにして移動する。その数は100万頭以上、距離は1600キロに達し、行く手にはワニやライオンといった捕者たちが待ち構えている。(参考記事:「動物大図鑑 ヌー」) しかし、陸上を移動するヌーにとって、意外にも大きな脅威となっているのが溺死。大挙してマラ川を渡る際、多くが流れにさらわれて命を落とすのだ。 毎年、100万頭以上のヌーが円を描くように東アフリカの草原を大移動する。その際、数千頭のヌーがマラ川を渡りきれずに命を落とす。(PHOTOGRAPH BY NORBERT WU, MINDEN PICTURES, NATIO

    ヌーの大量溺死が川を育んでいた、研究発表
  • ネコは自ら家畜化した、遺伝子ほぼ不変、最新研究

    古代のネコの遺伝子を分析したところ、ぶち模様のネコは中世になるまでは存在しなかったことがわかった。(PHOTOGRAPH BY JOEL SARTORE, NATIONAL GEOGRAPHIC PHOTO ARK) イエネコ(家畜化したネコ)の拡散に関する研究の一環として行われたDNA分析から、ネコは人間が家畜化したのではなく、自ら人と暮らす道を選んでいたことが明らかになった。その間、彼らの遺伝子は、野生のヤマネコの遺伝子からほとんど変わることがなく、ささやかな変化のひとつは、かなり最近になってから「ぶち柄」の毛皮が登場したことくらいだった。(参考記事:「動物大図鑑 イエネコ」) 研究者らは、古代ルーマニアのネコの死骸からエジプトのネコのミイラ、現代アフリカのヤマネコに至るまで、過去9000年間に存在した200匹以上のネコのDNA調査を行った。6月19日付けの学術誌「Nature Eco

    ネコは自ら家畜化した、遺伝子ほぼ不変、最新研究
  • 【動画】カラスはずるい人を1カ月以上忘れない

    カラスをはじめ、カケス、カササギなどカラス科の鳥は知能が高いことで知られている。人間の顔を識別し、住宅街をうろついてゴミ箱を漁り、死んだ仲間のために葬式まで出す。(参考記事:「【動画】カラスが難しいごみ箱を開けた」、「カラスが仲間の葬式をするって当?」) そして、中にはちゃんと取引ができるカラスもいるらしい。 このたび、公平な取引と不公平な取引をカラスがどれだけ区別できるのかを調べた論文が「Animal Behavior」6月号に発表された。(参考記事:「カラスの高い知能、イソップ話は実話?」) 研究を行ったのは、スウェーデンのルンド大学、オーストリアのウィーン大学、およびその他の機関の研究者らだ。論文の共同執筆者であるヨーグ・マッセン氏は、ウィーン大学の博士研究員で、認知生物学を専門とする。 「ある種の協力的な関係は、カラス科の複雑な社会生活の一部なのです」と、マッセン氏は言う。カラス

    【動画】カラスはずるい人を1カ月以上忘れない
  • 【動画】ヤドカリを真似るイカ、魚が油断か

    ヤドカリになりすますイカがいることがわかった。 5月に琉球大学の研究グループが学術誌「ジャーナル・オブ・エソロジー」で発表した動画では、トラフコウイカが体の色を変え、腕をひらひらと動かすような仕草をしながら、ヤドカリのフリをしている。獲物に警戒されずに接近するためか、捕者から身を守るためではないかと、今回の研究の中心となった岡光平氏は考えている。(参考記事:「視覚情報に反応、コウイカの擬態能力」) ヤドカリは主に微細な有機物などをべるため、トラフコウイカの獲物となる小型の魚や軟体動物を襲ったりしない。したがって、ヤドカリに擬態すれば、トラフコウイカは警戒されずに獲物に近づくことができるはずと岡氏は話す。また、擬態によって硬い殻を持っているようにも見せかけられるので、腹を空かせた海の捕動物から身を守ることにもつながるだろう。(参考記事:「【動画】「ニセのクモ」で鳥をだましてべるヘ

    【動画】ヤドカリを真似るイカ、魚が油断か
  • 【動画】イッカクは牙で叩いて魚を捕る、初確認

    【動画】イッカクの謎解明:イッカクが長い牙を使って魚を狩る様子をとらえた動画。カナダ・ヌナブト準州付近で撮影された。イッカクが牙を振って魚を叩いているのがわかる。(解説は英語です) ミステリアスな「海のユニコーン」の謎の一端が解明された。 イッカクがあの長い牙をどのように使うのかについては、これまでさまざまな憶測がなされてきた。(参考記事:「動物大図鑑 イッカク」) 今回、その様子をとらえた動画が初めて撮影された。その中でイッカクは、牙をすばやく突き出し、ホッキョクダラを叩いて気絶させている。こうすれば魚は動けなくなり、容易に捕できるというわけだ。 この動画はWWFカナダとカナダ水産海洋省が、カナダ・ヌナブト準州トランブレー入江で、2機のドローンを使って撮影したもの。 北極の動物と生態系に詳しい、WWFカナダのブランドン・ラフォレスト氏は、イッカクが謎に包まれた動物である理由をこう説明す

    【動画】イッカクは牙で叩いて魚を捕る、初確認
  • ヒトの死体の骨を食べるシカ、はじめて観察

    ほぼ骨だけになったヒトの死体をべていたところ、こちらに気づいて肋骨をくわえたまま顔を上げたオジロジカ。(PHOTOGRAPH COURTESY LAUREN A. MECKEL/ACADEMIA) 野外でヒトの死体がどのように腐敗していくのかを研究していた法医学者が意外な光景に出くわした。人骨をかじるオジロジカ(Odocoileus virginianu)だ。(参考記事:「動物大図鑑 オジロジカ」) 腐敗の過程を研究する施設は「死体農場」と呼ばれ、どんな動物が死体に群がってくるのかも研究対象になっている。(参考記事:「真犯人を追う 科学捜査」) よく見かけるのは、キツネ、ヒメコンドル、アライグマなど。米テキサス州サンマルコスにある法医人類学研究所では、他にも死体をべにやってくる動物がいるかどうかを観察するため、カメラを仕掛けた。すると、予期していた通り興味深い発見があった。(参考記事:

    ヒトの死体の骨を食べるシカ、はじめて観察
  • 第3回 覚せい剤の乱用文化は日本起源だった

    さんが所属する国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所は、研究所とはいえ、病院も併設しており、松さんは臨床の仕事をしつつ、治療プログラムの開発と普及を行う立場だ。 治療対象は、もちろん、流行り廃りはありつつも、覚せい剤依存が一番大きなものだという。お話を伺った2017年2月末の時点では、7割方が覚せい剤とのことだった。 ここまで乱用される覚せい剤には、どんな背景があるのだろうか。 「実は、覚せい剤、つまりアッパー系の元気が出るいけない薬物は、ほとんど日独自の乱用文化だったんです。1800年代の終わりに東京帝国大学の薬学部の教授が、喘息の薬として開発したものですし、戦前ではうつ病の治療なんかにも使われていました。第二次世界大戦中には、軍需工場で夜通し働かせたり、神風特攻隊の人たちがそれをキメて突っ込んでいったり、軍需品として使われました。戦争が終わってその軍需品が放出される中で、

    第3回 覚せい剤の乱用文化は日本起源だった