日本の原発政策には科学者の知見が不可欠だ。しかし、専門家の知見は本当に適切に諸政策に反映されているのか? 昨年6月、テレビで原発事故についてコメントする大学教授たちに8億円もの「原発マネー」が流れ込んでいることを明らかにしたジャーナリスト・佐々木奎一氏と本誌取材班は、再び情報公開請求と直撃取材によって、「新たな原発マネー」の存在を掴んだ。原発・電力会社、ゼネコン関連などの資金提供元から、1億2647万6693円ものカネが、津波や活断層を研究・評価する学会(社団法人・土木学会の「原子力土木委員会」委員の大学教授たち)に流れていたのだ。 「奨学寄付金」「受託研究」「共同研究」などの名目でカネが流れた研究者たちは、その事実についてどう答えるのか? 以下は、その回答である。 ●前川宏一(東京大学大学院工学系研究科教授)=奨学寄附金1519万円 「規則に基づいて適正に受け入れ、会計規定に基づき適正な