東京大学出版会・澤畑塁(以下、澤畑) 『翻訳教室』は、今回のフェアの趣旨とまさにぴったりの本ですね。つまり、東大の授業をとっかかりにして、学問の面白さをお伝えしようという趣旨と。 この本は、東大文学部の授業「翻訳演習」をそのまま書籍化したものです。その授業では、英語の課題文が与えられていて、それをどう訳すかを柴田先生と学生がみんなで論じあっています。「ここはこう訳すべきじゃないか」、「いや、ああではなかろうか」と。 Y あ、本当だ。ずいぶん具体的な話をしていますね。 澤畑 ええ、とても具体的な話をしています。 Y 「『生まれた町』というタイトルにしたんです。『故郷』という言葉は避けたかったんで。せめて『出身地』とか」。ふむふむ。 澤畑 そこは、“a place where they've come from”という句をどう訳すかで議論している場面ですね。直訳すると「彼らがやってきたところの
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