アイドル同様、時代とともに移り変わっていくアイドル評論の世界は、00年代後半、Perfumeや初音ミクといった新しいタイプのアイドル出現によって、その模様を大きく変えつつあるという――。そこで、70年代から現在までのアイドル評論の変遷を辿った。 アイドルの起源について、コラムニストの中森明夫は、自身の25年分のアイドル論考をまとめた著書『アイドルにっぽん』(新潮社/07年)の中で、南沙織を「国産アイドル第一号」としている。南沙織がデビュー曲「17才」をリリースしたのは、1971年6月。南は、同年4月にデビューした小柳ルミ子、10月にデビューした天地真理とともに「三人娘」と呼ばれた。73年には、オーディション番組『スター誕生!』(71年~83年/日本テレビ)からデビューした森昌子、桜田淳子、山口百恵が「中三トリオ」と呼ばれ人気を博す。70年代は、歌の巧拙や外見的な価値そのものよりも、存在自体
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