電気通信大学 大学院情報システム学研究科 教授 田中健次氏 通常であれば、安全が高まると思われる「多重チェック」や「フールプルーフ」。しかし、そこには「社会的手抜き」、「自動化の皮肉」という落とし穴があると言う。そこで、今回のスペシャリスト、電気通信大学大学院情報システム学研究科教授の田中健次氏に、安全の仕組みの落とし穴について話を聞いた。(取材日;平成17年6月20日) -事故防止の対策として、よく「ダブルチェック」「トリプルチェック」という改善策が出されます。田中先生は多重チェックの効果について実験をなさっていますが、どのような結果だったのでしょうか。 1 多重チェックの落とし穴 (同種の多重チェック) この実験をしようとした1つのモチベーションは患者誤認の事故でした。 通常、2人によるチェックよりも3人、3人よりも4人とチェック数が増加するほど確実性が高まると考えがちです。しかし、大