東京都は29日までに、自殺総合対策計画を策定し、公表した。国が2017年に自殺総合対策大綱を改正したことなどを踏まえたもので、計画期間は18年度から22年度までの5年間。救急医療機関に搬送された自殺未遂者を精神科医療につなぐ相談調整窓口を設置し、支援体制を強化する方向性を明記した。また、産後うつを予防するため、出産後間もない妊婦への健康診査を行う区市町村の取り組みを支援する。【新井哉】 精神疾患を併せ持った救急患者の搬送をめぐっては、ケースによっては精神科医による対応が必要になるため、患者の受け入れが可能な医療機関を探すのに時間がかかっているのが実情だ。 特に精神科のない救急告示医療機関に患者が...
ほかの人のたばこの煙を吸わされる受動喫煙による妊婦や子どもの健康被害を防ごうと、千葉市は6月から、妊婦や子どもと同居する人を対象に、禁煙治療を受ける際の費用の一部を助成する制度を始める。市によると、禁煙にかかる治療費の助成は県内の自治体では初めてという。 市健康支援課によると、助成の対象は、妊婦や15歳以下の子どもと同居する市民で、12週間にわたり計5回の禁煙外来治療を終えて自己負担額を支払った人。治療にかかる費用の2分の1について、1万円を上限に助成する。禁煙外来治療は一般的に5回の受診が目安で、自己負担割合が3割の人の負担額は、貼り薬や飲み薬を含めて通常約1万3千~2万円だという。 日本禁煙学会によると、千葉市内では約100の医療機関が禁煙外来治療を実施している。熊谷俊人市長は今月10日の定例記者会見で「いつか(たばこを)やめようと思っている人は多い。制度が禁煙実現のきっかけになれば」
14歳のときに摂食障害で入院した病院で77日間も不当に身体を拘束されたとして、東京都在住の女性(24)がこの病院に1056万円の損害賠償を求める裁判を17日、東京地裁に起こす。女性は「非人道的な扱いで肉体的・精神的な苦痛を受け、人生を壊された。私のような被害者を出してほしくない」と訴える。 診療録などからまとめた訴状によると、女性はダイエットで生理がなくなったりふらついたりしたため、2008年5月16日に都内の病院の精神科を受診。摂食障害と診断され、19日に女性も同意して入院した。 食事はベッド上でとっていたが、ベッドから離れてはならないと指示され、音楽を聴くことも、外部との電話や面会も許されなかった。病室の簡易トイレで看護師の立ち会いのもとで排泄(はいせつ)していたという。 厳しい行動制限に納得できず、女性は5月24日に抗議のため点滴を自ら抜いた。すると、「治療を拒絶した」などの理由で、
妊婦や産後まもない母親の自殺を防ごうと、行政が専用の相談窓口を設けるなどの取り組みを始めている。子育てに悩み自殺願望を抱く母親は少なくないが、妊産婦に限った統計はなく、実態はよく分かっていない。関係者は「見過ごされてきた妊産婦の心のケアに目を向け、社会全体で防ぎたい」と話す。「初めての子育てへの使命感で自分を追い込んでいた」。関東地方に住む30代の女性会社員は長男(3)の出産直後から不眠に悩ま
「不妊手術されたなんて、誰にも言えなかった」。10代後半で強制不妊手術を受けたという札幌市の小島喜久夫さん(76)が語り始めた。若いころに受けた差別、子どもをつくれなくなった悔しさ、妻に隠し通したつらさ、今も続く腹部の痛み--幾重にも苦しんだ人生を振り返った。【安達恒太郎】 周囲から差別 50年以上たっても、忘れられない言葉がある。10代後半で精神科に強制入院させられ、「優生手術をする」と聞き慣れない言葉を口にした看護師に聞き返したときのことだ。「あんたたちみたいなのが子どもをつくったら大変だから」。院内には同年代の若者らがいた。同じ不妊手術を強制されたとみられる「あんたたち」だった。 小島さんは生後まもなく、北海道石狩町(石狩市)の農家に引き取られた。子どもがいなかった養父母との関係は、弟たちが生まれると冷え込んだ。周囲から「もらい子」などと差別を受けた。中学卒業後、印刷会社に就職したが
発足した「精神疾患の親をもつ子どもの会(こどもぴあ)」のメンバーら=東京都港区の東京都障害者福祉会館で2018年1月21日 精神疾患を抱える親に育てられた子どもたちを、同様の境遇の人たちがサポートする「精神疾患の親をもつ子どもの会(愛称・こどもぴあ)」が21日、東京都内で発足した。2016年の障害者白書によると、国内の精神障害者は推計392万4000人。しかし、その子どもの支援は進んでいないため、同じ立場の経験者が初めてボランティアで団体を結成した。 被害妄想や幻聴に苦しむ親におびえたり、親の代わりに全ての家事を担ったりする子どもたちがいる。関係が苦しくても相手が親のため周囲に相談できず、大人になっても生きづらさを抱えているケースが多い。
インターネットゲームなどのやり過ぎで日常生活に支障をきたす症状について、世界保健機関(WHO)が2018年、病気の世界的な統一基準である国際疾病分類(ICD)に初めて盛り込む方針であることがわかった。国際サッカー連盟(FIFA)主催の世界大会が開かれたり、五輪への採用が検討されたりするなどネットゲームが広く普及する中、負の側面であるネット依存の実態把握や対策に役立てられそうだ。 WHO関係者によると、18年5月の総会を経て、6月に公表を予定する最新版のICD―11で、「Gaming disorder」(ゲーム症・障害)を新たに盛り込む。17年末にトルコで開かれた依存症に関する会議で、最終草案を確認した。 最終草案では、ゲーム症・障害を「持続または反復するゲーム行動」と説明。ゲームをする衝動が止められない▽ゲームを最優先する▽問題が起きてもゲームを続ける▽個人や家族、社会、学習、仕事などに重
◇福井大に部門 不足解消へ 幼少期から青年期まで子どもの精神障害を専門的に診察、治療できる医師を養成する部門が福井大に設置され、9月から本格的に始動した。発達障害をはじめとする複雑な病状を見極めるため、実績のある医師と臨床心理士を招き、国内有数の訓練・指導体制を整えたという。設置期間は今年度から5年間で、専門医不足の解消を図り、診療と研究の成果を広めていく。(矢沢寛茂) 日本をはじめとする先進国で発達や情緒に問題のある子どもは増えており、文部科学省が2012年に行った全国調査では、「学習面または行動面で著しい困難を示す」とされた小中学生の割合は6・5%いた。教育や医療の専門家の間では、この回答に含まれないが、発達に関わる様々な問題を抱える子どもが多いと指摘されており、30人学級に2、3人、全体の15~20%程度いるとの意見もある。 一方で、日本児童青年精神医学会の認定医は全国でも325人に
陶芸教室にあった少年の作品には「愛」と「希望」の文字が刻まれていた=東京都府中市の関東医療少年院で2017年5月10日、佐々木順一撮影 神戸市須磨区で1997年に起きた小学生連続殺傷事件から20年がたった。14歳で逮捕された加害男性(35)は、6年5カ月を少年院で過ごし、精神医療と更生教育の両面から特別なケアを受けた。男性が実際に収容されていた関東医療少年院(東京都府中市)を記者が訪ね、更生の現場を取材した。【茶谷亮】 郊外の閑静な住宅街に、ひっそりと建つ関東医療少年院。緑に囲まれた事務棟や正門は学校のようだが、少年たちが過ごす建物は高い塀に囲まれている。 法律上の病院にあたり、心身に深刻な疾患や障害を持つ少年を収容する第3種(医療)少年院。京都医療少年院(京都府宇治市)と共に、全国に2カ所しかない。
薬物依存症者の社会復帰は容易でない。とりわけ、未成年の子供を持つ女性の場合は、薬物依存からの回復だけでなく、経済的な自立や育児など課題は多く、周囲からの適切な支援が不可欠だ。ファイザーが主催したプレスセミナー「受刑者の健全な社会復帰を実現するために」では、20年以上にわたり女性の薬物依存症者の社会復帰を支援してきた特定非営利活動法人「ダルク女性ハウス」代表の上岡陽江氏が、薬物依存症の女性への子育て支援の必要性を訴えた(関連記事1、関連記事2、関連記事3)。
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く