中東・イランで生まれ育った若者はなぜ、はるか遠く約7500キロも離れた日本で、指定暴力団の会長になったのか-。さいたま市内の倉庫に回転式拳銃1丁と実弾23発を隠し持っていたとして、警視庁組織犯罪対策2課は3月、銃刀法違反容疑で元住吉会系暴力団会長のイラン国籍の男を逮捕した。35年前に来日し、その3年後には組員となり、ヤクザ稼業に手を染めていった。「映画や小説で見た日本の任侠(にんきょう)の世界に憧れていた」という男の人生とは-。(宇都宮想)流暢な日本語で容疑を否認… 振る舞いは「親分そのもの」 捜査の端緒は平成25年7月、40代の男性が暴力団から抜けようとし、別の暴力団の男らからカネを脅し取られたとして警視庁に相談したことだった。加害者側にいたのが、住吉会系暴力団「桂真会」会長のアムロラー・ナーセリー容疑者(59)だった。 警視庁は恐喝事件として、外国人犯罪を専門とする組織犯罪対策2課が捜