今回、南米のチリ沖で起きた地震について、津波のメカニズムに詳しい東京大学の阿部勝征名誉教授は、「チリからの津波は、太平洋を伝わってくる間に周辺の陸地にぶつかった波が反射することで日本周辺に集中する傾向があり、ハワイなど、チリと日本の間にある場所よりも日本の沿岸の方で高い津波が観測されるケースが多い。過去には大きな被害が出ている」と指摘しています。 さらに、「今回の地震の規模は、過去に、日本に高さ数メートルの津波が押し寄せた時と比べて規模は小さいが、今後の情報に注意し、海岸付近に近づかないことや、海面に変化がある場合は、すぐに陸の方へ移動するなど油断せずに注意する必要がある。また、東日本大震災の被災地の東北の沿岸部は、今も地盤沈下したままの場所や堤防が壊れた状態のところもあるうえ、地形が入り組んでいて場所によって津波が高くなるおそれがあるため特に注意が必要だ」と話しています。