【はじめに……】 携帯電話をデコレーションする“デコ電”という言葉を筆者が最初に聞いたのは、もう2年以上前だろうか。確か、タレントの叶姉妹が持っていて、ニューヨークのデザイナーに頼み、装飾してもらった費用が300万円、というのが記憶に残っていた。「300万円……私には縁がないな」そんな風に思い、記憶の倉庫にしまい込んでいた。 東京に住む20代前半の若い世代に聞くと「デコ電? ああ、3年くらい前にはやったよね。私もシール貼ったりしたよ。今?もう私はやめちゃったけど、やってる娘は今もデコってるよ」と言う。「今もデコってる……」その言葉がひっかかった。そして昨年秋、都内の書店で「デコ電マジックKOBE STYLE」(青心社刊)という本を手にした。それを見て、デコ電のニューウェーブを見た気がした。 その後、筆者は東京・池袋サンシャインの地下で「くりすたるあーと」という、京友禅作家の芸術的塗装を施し