文/辻田真佐憲(文筆家、近現代史研究者) 炎上するイラスト集『そうだ難民しよう!』 シリア難民を揶揄するイラストをフェイスブック上に投稿し、世界的に大きな反響を巻き起こした漫画家はすみとしこの作品集が昨年12月に刊行された。『そうだ難民しよう! はすみとしこの世界』(青林堂)である。 表紙には、これ見よがしに、有名になった難民少女のイラストと、「そうだ難民しよう!」の大きな文字。なかを開くと、在日コリアン、韓国人の元慰安婦、シー・シェパード、SEALDs、有田芳生などを批判的に取り上げる21枚のカラーイラストが厚手の紙に印刷されている。 作者自身による詳細な解説が付されているのも特徴的だ。それによると、件の難民のイラストは「より豊かな暮らしを求めて欧州へ移動する『偽装難民』を揶揄した作品」であり、「『難民』の欲求のエスカレート」は「在日韓国人の優遇措置(在日特権)要求のエスカレート」と関連