「キャロルに関する誤解」へ戻る ルイス・キャロルはロリコンか? キャロルに対する誤解の中でも、最たるものが「ルイス・キャロルはロリコンだった」という説だろう。特に日本では、中途半端に知っている人間ほどこういう誤解をしていることが多い(なぜ日本ではこういう誤解が広まったかという考察は別項参照)。しかし、この説がもてはやされたのはせいぜい1970年代までで、その時ですら必ずしも通説というようなものではなかった。当時、いやキャロルが亡くなってから1990年代後半まで約100年に亘り、キャロルは「大人の女性と付き合うことはあまりなく、少女を愛していた」、しかし「少女への愛情は、決して恋愛感情や性的な感情ではなかった」というイメージで語られてきた。そして、なんでも性欲で解釈する俗流フロイト風の解釈から「キャロルはロリコンだった」という説が出てきたわけだ。つまり、通説では、確かにキャロルは少女を愛して