私にとっては、研究者になろうと思ってから今日までは、自分の「良くない癖」に気づいては、治そうとする日々の連続であるような気がします。 中でも苦労している癖の中に、「なんとなく分かったつもりになる」「とりあえず分かったことにしてしまう」というものがあります。 勉強したり、他人の論文を読んだりしていて、書いてある言葉の字面を覚えたり「共感」できたり、周辺の「あらすじ」をそこそこ追えたりすると、あまり深く考えずに「もう分かったもんね」と片づけてしまう、というものです。 おそらく、学生のみなさんの中にも多かれ少なかれ、同じ傾向を持った人がいるかと思います。 大学院に進学するまでは、こういう癖を自分の「物わかりが良いところ」とか「素直なところ」の現れと思っていたふしもありました。 しかし、大学院以降は、この癖のためにずいぶん痛い目に遭いました。 今日は、「なんとなく分かったことにする」ということが研