中村航さんの「広告の会社、作りました」を読みました。中村航さんの作品を読むのは「夏休み」「100回泣くこと」「あなたがここにいて欲しい」に続く、4冊目です。いままで読んだ中村さんの小説は、エンジニア的な感性の人が登場する印象がありました。本作に登場するのはコピーライターとデザイナーです。 勤めていた広告会社が突然、倒産し無職となったデザイナーの遠山健一。安定を求めて、飛び込んだのは、フリーランスのコピーライター、天津功明の個人事務所でした。二人三脚で彼らが挑む案件は、大企業のカタログデザインのコンペ。ライバルは大手の広告代理店、伝信堂です。コンペとはいいつつも、実際は出来レース。天津&遠山に勝ち目はあるのでしょうか・・・。 不安を恐れず、仕事の、人生の、当事者になろうとする若者を描く、爽快な作品です。 わたしは広告会社の内側に居たことはありません。ですので、広告業界の実態は知りません。 た