(前編)では、ロシアによる軍事支援がアフリカ諸国の投票行動に一定の影響を与えた可能性を指摘したが、それだけでは説明がつかない問題が残った。ロシアとの間で軍事協定を結び、国軍の訓練や兵器の提供といった支援を受けているアフリカの国であっても、国連総会でロシア非難決議に賛成した国も少なからず存在した。「軍事」は国連におけるアフリカ諸国の投票行動を決定付ける一つの要素ではあるが、全てではないのである。 そこで、読者の皆さんに思い出して欲しいニュースがある。ロシアがウクライナ東部の2地域の「独立」を一方的に承認したことを受けて開催された2月21日の国連安全保障理事会緊急会合における、ケニアのキマニ国連大使の演説だ。キマニ大使は、かつて帝国主義によって分断されたアフリカの苦難の歴史を踏まえながらロシアの行動を「正当化できない」と非難した。 ■ロシア非難演説、もう一つの側面 この演説はロシアを痛烈に批判