カール・グース『オルフェウスとエウリディケ』 エウリディーチェを失って、どうしよう 今回は、グルックのオペラ『オルフェオとエウリディーチェ』第3幕の後半、最終回です。 亡き愛妻エウリディケを取り戻すべく、冥界に降りたオルフェウス。 その音楽の力で冥界の神や怪物たちの心を融かし、『地上の人間界に戻るまで、決して妻の顔を見てはならない』という条件つきで、妻を返してもらいました。 しかし、地上に向かう途上、自分を抱きしめるどころか目も合わせない夫に、妻は疑念と不信感を募らせます。 追及と泣き落としに耐えかねたオルフェウスは、ついに振り返って妻の顔を見てしまいます。 すると、掟を破った罰で、エウリディケは再び死んでしまいます。 これまでの苦労は水の泡。 愛ゆえに妻を取り戻し、愛ゆえに再び失ってしまったオルフェウス。 やるせない気持ちを歌うのが、このオペラで一番有名なアリア、『ケファロ・センツァ・エ