世界中の情報が瞬時に手に入るようになり、ファッションの“地域差”や“地域特性”といったものは今やほとんどなくなった。そんな中で、東京や他の都市に比べて関西圏での知名度が抜群に高いというブランドがある。正中雅子が手掛けるウィメンズブランド、「マチャット(MACHATT)」がそれだ。2011年に神戸でEC専業としてスタートした同ブランドは、19年10月に阪急うめだ本店(以下、阪急)で行った1週間のポップアップストアで、2950万円を売るまでに成長。噂を聞きつけ、東京の百貨店からも「うちでもぜひポップアップを」との声が何度かかかっている。でも、答えはノー。その理由を聞きに、神戸・三ノ宮を訪ねてみた。 「マチャット」の名前を初めて聞いたのは、今年の1月末に阪急3階シスターズクローゼットのバイヤーを取材した際。同売り場は19年2月からプロモーションスペースを拡大しており、D2Cブランドを含め、話題の