12時になってしまった。もうパーティーは終わりだ。パーティーどころか、この世界はもともとなかったんだ。夢の洲は全部、幻だった――。 感傷的になっても仕方がないのはわかっている。松本人志氏にまつわる一連の報道で思い知らされたのは、結局のところ自分が信じていたもの、すなわちお笑い、さらには日本の文化というものがパワハラそのもののことを指しているのかもしれないという可能性だった。そのことに思い至った時、足元がガラガラと崩れ去るような気持ちになり、文字通り立っていられなくなった。 いや、実際にはそんなはずはない。問題は文化そのものではなく、単なるコミュニティの話でしかないはずだ……と、わかっているのに日々大きくなる炎の中で燃えているのは、私(たち)の青春と幸せだった思い出のように思えてくる。 被害者のいる行為を肯定はできない。しかしながら行き過ぎたキャンセルカルチャーと正義感も怖い。キャンセルされ