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九鬼周造 ラップの検索結果1 - 2 件 / 2件

  • 魂をサンプリングするということ(エラボレイト版) - 石をつかんで潜め(Nip the Buds)

    ※この記事は、もともとのものを、同人誌「俗物ウィキペディア」用に推敲したテクストになります。 伊集院光とNHKアナウンサーの安倍みちこが司会を務める『100分de名著』という番組で、大江健三郎の『燃え上がる緑の木(1993-1995)』が取り上げられた。大江健三郎にハマり始め時に読んではみたものの理解できなかった作品であったが、せっかくだからと、この放送に合わせて、番組の解説を聞きながら、一カ月かけてゆっくりと再読してみたら、とてつもなく面白い小説だったということに気付かされる良い読書体験を得ることが出来た。 大江健三郎の小説は、デビューした頃などの初期に分類される作品はソリッドで濃密な文体で、今読んでもとてもカッコいいのだが、後期は特に、伊集院が「大江先生の本は何かとこう話題になるたびに手には取るんですけど、難しいって挫折してきて、唯一ね『「自分の木の下」で』っていう本だけは割と分かりや

      魂をサンプリングするということ(エラボレイト版) - 石をつかんで潜め(Nip the Buds)
    • 02 途中下車無効 | ラップごっこはこれでおしまい | NeWORLD | 斜めうしろから世界をのぞく

      僕の育った家族は、あとから振り返るとおかしなところが沢山あった。まず、家族同士があいさつをするということが一切なかった。といっても、仲が悪かったというわけではない。僕の父と母が結婚してから僕が十歳になるまで住んでいたうちは、六畳一間の小さな家だった。その小さな家に父、母、僕、孝二の四人で暮らしていたのである。家族それぞれに部屋があり、朝起きて初めて顔を合わすのが居間やキッチンという環境なら「おはよう」とあいさつするのも自然だろうが、僕の家では逆に不自然なことだった。そもそも核家族のありかた自体にまだお手本がなかった。父も母もとにかく暮らしを楽にすることに必死で、あるべき家族の姿を模索する余裕はなかった。 そして、家族のあるべき姿を模索するための余裕というのは、うちの場合暮らしが楽になれば生まれるというものでもなかった。僕が小四になる時に父は吉祥寺に三百万で家を買い、僕たち一家はそこに移り住

        02 途中下車無効 | ラップごっこはこれでおしまい | NeWORLD | 斜めうしろから世界をのぞく
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