理系の若い人がこれから一生かかってどのように読書遍歴をしたら良いか、独断と偏見に満ちた視点から指南いたします。 これは読書の上級編ですから、先ず初級編をクリヤーしたことが前提です。本気で読書を始める前に、初級編では古典的とされている小説を楽しんで下さい。日本物でも外国物でも構いません。日本物では、夏目漱石、森鴎外、志賀直哉、井上靖、あるいは何でも構いません。外国物なら、スタンダールでもドストエフスキーでも何でも、気に入った物を読めば良い。 でも何時までも小説ばかり読んでいては駄目です。小説は、いくら優れていると言っても、所詮ちっぽけな人間の頭が想像できたことしか書いていない。だから、適当に小説で感激したらそれを卒業して、いよいよ上級編としてノンフィクションの古典的名著に進まなくてはならない。 この場合、外国物から入るか、日本物から入るか決めておいた方が良い。 工学も自然科学も基本的には西洋