「民主主義」と「平等主義」という言葉には、多くの人々の間で未だにかなり良いイメージが持たれている……気がする。 しかし、果たして民主主義と平等主義は、人々を本当に幸せにする考え方なのだろうか?本稿では『劇場版仮面ライダービルドBe The One』(以下、劇場版ビルド)とニック・ランドの『暗黒の啓蒙書』を教材にして、民主主義と平等主義の恐ろしさを考察していきたい。劇場版ビルドは、民主主義と平等主義による「天才いじめ」を描いた、クッソ面白恐ろしい特撮映画だから。 民主主義で、地球をぶっ壊す。 劇場版ビルドの序盤では、東都・西都・北都とかいう架空の都市の都知事が就任演説をする。特に東都知事の伊能はカリスマ的な人望の持ち主なのだが、「この国に仮面ライダーは必要無い」という過激思想の持ち主であった。『仮面ライダービルド』の作中では仮面ライダーが軍事兵器として運用されているので、仮面ライダーを殲滅し