日本刀の「髭切」と「膝丸」。ゲーム「刀剣乱舞」でも人気キャラクターとなっていますが、その姿は浮世絵の中にも描かれていますので、ご紹介したいと思います。 ※今回紹介する作品は、現在、太田記念美術館では展示しておりません。 髭切(ひげきり)まずは、「髭切」。『平家物語』剣巻によれば、平安時代、源満仲が刀鍛冶に作らせた2本の刀が、髭切と膝丸でした。そのため、ゲーム「刀剣乱舞」の中では、兄弟という設定になっています。 髭切は、罪人の首を斬った際、髭もそのまま一緒に斬れたことから、その名前がつきました。髭切は、ある事件をきっかけに「鬼丸」という名前に変わるのですが、そのエピソードを描いた浮世絵がこちら。 楊洲周延の「東錦昼夜競 渡辺綱」です。『平家物語』剣巻によれば、平安時代の武将である渡辺綱(わたなべのつな)が、京都・一条の堀川に架かる戻橋のところで、一人の美女に出会います。五条のあたりまで送って