五月革命、ベトナム戦争が映画に与えた影響とは 映画は、時代を映す鏡と言われる。 1968年のパリ五月革命に端を発する世界的なカウンターカルチャーのムーブメントは、間もなく映画界へも波及。1960年代後半から70年代前半にかけて、ハリウッドはアメリカンニューシネマ一色になった。 『俺たちに明日はない』『イージーライダー』『いちご白書』etc…… それらは、メッセージ性の強い、アン・ハッピーエンドな映画たち。批評家ウケはいいが、大衆には刺さらず、この時期、ハリウッドは観客動員を大きく落とす。 風向きが変わったのは、1975年4月のサイゴン陥落である。ベトナム戦争が終わり、アメリカに戻った元兵士の若者たちは、西海岸でアウトドアスポーツのブームを開花させた。 それと呼応するように、ハリウッドも往年の大衆娯楽路線を取り戻す。75年はパニックムービーの『ジョーズ』、76年はヒーローものの『ロッキー』、