なぜ、「日本の至宝」を、ゼロ円で送り出さなければならなかったのか――? 今年6月に、FC東京からレアル・マドリードへの移籍を発表した久保建英。プレシーズンツアーで堂々たるパフォーマンスを披露し、瞬く間にスペインのメディアとファンの心をつかんだ。現地時間8月22日にはマジョルカへの期限付き移籍が発表され、加入からわずか2日でのデビューも期待されるなど、これまでに多くの日本人選手がその高い壁に阻まれてきたスペインの地で、弱冠18歳にして確固たる評価を手にしつつある。 そんな久保を送り出したFC東京の大金直樹社長は、移籍に際して「契約が満了した後の移籍ということで、違約金(移籍金)は発生していない」ことを明かした。 これまでに数々のサッカー選手の国際移籍を手掛けてきた代理人の田邊伸明氏に、この移籍劇をどのように見たのか、話を聞いた。 (インタビュー=岩本義弘[REAL SPORTS編集長]、構成