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森本哲郎 私のいる文章の検索結果1 - 1 件 / 1件

  • 沈黙という母胎 - 言葉と記憶の小径。

    〇日 近道をしようとナビを使うが 駅裏は開発が進んで、古いナビは役に立たない。 住宅地に迷い込んだ。 行き止まりにあたり、バックをしようと窓を開けた。 どこかの家からオルガンの音。 いまどき珍しいなと思って、クルマを止めて耳を澄ます。 子どもだろうか。 足踏みのタイミングが少しずれて、 時折、音がフガフガ、パフパフともがている。 小学生のころ、キンちゃんの家に遊びに行き、 オルガンを聴かせてもらうのが楽しみだった。 キンちゃんのかあさんは 昔、学校の先生だったので、家にオルガンがあったのだという。 キンちゃんの自慢は「ネコふんじゃった」の速弾きで 速弾きだから足踏みも速踏みだった。 短い脚で、カタカタカタカタいいながら 足踏みをして空気を送り、 小さな手で「ネコふんじゃった」を繰り返し弾いてくれた。 天才音楽家かもしれないと、本気で尊敬をした。 いつか大人になったら、 オルガンのある家に住

      沈黙という母胎 - 言葉と記憶の小径。
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