「千曲川ワインバレー」は、長野県の北東にある小諸市、東御(とうみ)市、上田市、千曲市、長野市、坂城(さかき)町などの千曲川流域に位置する市町村を指す。 かつて養蚕業で栄えたこの地域には、桑畑が広がっていた。和装需要が減り、安価な輸入糸が普及したことで荒廃地となった桑畑は、ヴィンヤード(ワイン用ぶどう畑)として生まれ変わりつつある。降水量が少なく、日照時間が長い上、昼夜の寒暖差が大きく、水はけのよい土壌は、ワイン用ぶどうの栽培にも適しているのだ。 「千曲川ワインバレー」は、1973年にマンズワイン小諸ワイナリーを開設。1991年にはエッセイストの玉村豊男氏が、千曲川ワインバレーの東地区にあたる長野県東御市に移住し、自家用に500本のワイン用ぶどうの苗を植えたことに始まる。 2003年、玉村氏が「ヴィラデストガーデンファームアンドワイナリー」(以下、ヴィラデスト)を開業したことを皮切りに、千曲