最近の「タナー法」の評価について書いておきます。 「タナー判定」というのは、小児科医の分野で人の性的成熟度を測る指標である。 小児科学 第3版(医学書院)p17 思春期の性成熟と成長 思春期は,小児から成人への移行の過渡期にあたる時期で,種々の成熟段階を経て身体全体が成人に成熟する。この過程は多くの神経内分泌因子やホルモンによって制御されているが,最終的には,下垂体から分泌されるゴナドトロピン(性腺刺激ホルモン)と性腺から分泌される性ステロイドホルモンが上昇して,二次性徴を発現・成熟させる。 何が思春期開始の引き金になるかは,完全には明らかではないが,栄養や脂肪細胞から分泌されるレプチンなどが関与していると考えられている。 (1)二次性徴の成熟 思春期の発来は,男子においては精巣容量の増大から始まり,陰茎増大,陰毛発生と進んでいく。女子においては乳房の発育から始まり,陰毛発生,初経と進んで