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  • 昭和のアルチュウ ―アルプス中毒患者ども― - 書痴の廻廊

    狂歌(うた)がある。 あの息子 なんの因果か 山へ行き 昭和のはじめに編まれたらしい。 まるで先を争うように若者どもが山に押し寄せ、次から次へと木の下闇に呑み込まれ、さんざん平地を騒がせたあと変わり果てた姿で発見(みつ)かる。そういう事態が頻発していた時代があった。 呆れかえるほど積み上げられた「前例」により、山中異界の容易ならなさ、恐ろしさは知れ渡っているはずなのに、それでも挑戦者の波が絶えない。あとからあとから、むしろ加速の趣きすらある。そんな狂騒のご時世が――。 このあたりで今一度、 「山は遭難がないと箔がつかないやうである。蔵王なども昭和七、八年頃から遭難がいくつも続いたので、忽ち有名になり、また冬山としての魅力ももつやうになって来たやうである。夏の休みには峨々が何百人といふ人であふれたりしたのも、遭難が人を招んだやうなものといへよう、刈田から賽の磧へ降りてくると、吹く風に揺らぎな

      昭和のアルチュウ ―アルプス中毒患者ども― - 書痴の廻廊
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