イ・ビョンホン主演『KCIA 南山の部長たち』の背景にある、2つの大きな事件――「暴露本」と「寵愛」をめぐる物語 近年、K-POPや映画・ドラマを通じて韓国カルチャーの認知度は高まっている。しかし作品の根底にある国民性・価値観の理解にまでは至っていないのではないだろうか。このコラムでは韓国映画を通じて韓国近現代史を振り返り、社会として抱える問題、日本へのまなざし、価値観の変化を学んでみたい。 『KCIA 南山の部長たち』 (C)2020 SHOWBOX, HIVE MEDIA CORP AND GEMSTONE PICTURES ALL RIGHTS RESERVED. 軍事クーデター後、18年という長きにわたって韓国の大統領に君臨した朴正煕(パク・チョンヒ)は、1979年10月26日、実質“政権ナンバー2”であったKCIA(「大韓民国中央情報部」の略)の部長・金載圭(キム・ジェギュ)によ