川端望のブログです。経済,経営,社会全般についてのノートを発信します。専攻は産業発展論。研究対象はアジアの鉄鋼業を中心としています。学部向け講義は日本経済を担当。唐突に,特撮映画・ドラマやアニメについて書くこともあります。 MMTは「主権を有し,不換通貨を発行する政府は,その通貨において支払い不能になることはない」と主張する。これに対して,まともな形で「いや,デフォルトする」と批判する議論は,さすがに少ない。もう少し現実的にありそうな事態として,財政赤字が累積すると支払い続けることは可能でも,1)クラウディング・アウトを起こして民間の需要を奪うので,赤字財政の需要刺激効果がなくなるだろう,2)望ましくないインフレーションを引き起こすだろう,3)国債と通貨が信用を失って暴落するだろうという批判が多い。ここでは1)について考えたい。これは,先だってのポール・クルーグマン教授(※1)とステファニ