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分別と多感の検索結果1 - 4 件 / 4件

  • 「コロナ後の世界」には女はいない、あるいは、分別と多感③|重箱の隅から|金井 美恵子|webちくま

    原爆記念日に、NHKが特集番組を放送しなかった昭和53年はどういう年であったのかを思い出そうとして、つい「村上春樹さん首相を批判」と無邪気に感心する無気味な新聞記事を引用して枚数が尽きてしまったのだった。 ’78年と表記するより昭和53年と書いたほうが、もちろんふさわしいのだが、その3年前、在位50年を記念した記者会見で、象徴、、ではない国家の権力者の天皇の「戦争責任」という概念を、文学的、、、なものとしてまともに答えず、原爆投下をやむを得ぬことと発言し、3年後の昭和53年10月、靖国神社は、東條英機、広田弘毅らA級戦犯14人を合祀するのだが、当然天皇の記者会見での発言の影響があるだろう。半藤一利の『マッカーサーと日本占領』(PHP研究所、平成28年)を引用して江橋崇は『日本国憲法のお誕生――その受容の社会史』(有斐閣、令和2年)に、合計11回以上の会見を通して、昭和天皇がマッカーサーに対

      「コロナ後の世界」には女はいない、あるいは、分別と多感③|重箱の隅から|金井 美恵子|webちくま
    • 「コロナ後の世界」には女はいない、あるいは、分別と多感①|重箱の隅から|金井 美恵子|webちくま

      「第一戦で活躍する12人の知性による、圧倒的熱量の論集!」の中に女性執筆者が一人も入っていないので、書名であることを超えて『コロナ後の世界』(筑摩書房編集部編)には、女性は存在しなくなると、作った編集部は考えている(と、いう程のことではなく、まるっきりの無意識)のかもしれないこの本は昨年の9月に上梓されたのだが、もちろん、収められた文章が書かれた時期と現在では、様々な状況が変わっているので、簡単に何かを言うことはできないのだが、こういう本があることを思い出したのは、コロナ・ワクチンの大規模接種が自衛隊の力を借りて行われた5月24日、菅首相が記者たちに向かって、奇妙な薄笑い――笑うのをケチっているような――を浮かべて「なんとなく、、、、、ホッとしている」と発言したからである。 それがどう12人の知性(第一線で活躍する)と結びついたのかは後ほど説明することになると思うが、ここではとりあえず、女

        「コロナ後の世界」には女はいない、あるいは、分別と多感①|重箱の隅から|金井 美恵子|webちくま
      • 「コロナ後の世界」には女はいない、あるいは、分別と多感②|重箱の隅から|金井 美恵子|webちくま

        30年前の1991年8月19日のクーデター未遂事件によって、超大国ソ連崩壊の引き金が引かれた、と語られる歴史をふりかえるといった類のテレビ番組や新聞の特集記事を目にすることが極端に少なかったのは、もちろん、コロナとオリンピックのせいなのだろうが、数少ない記事の一つを目にして、私が思い出したのは、ソ連クーデター未遂事件というより、それを伝えるNHKテレビのニュース映像というか、や、り、方、である。 たしか、現、場、の、中、継、で放送された生、々、し、い、映、像、は、NHKのモスクワ支局(おそらくクレムリンとそう離れてはいないビルの5階かそこらにあるらしい)の外に明りが漏れるのを恐れるかのようにブラインドが閉ざされた窓辺で支局長(時期が時期だけにニュースの度に登場していた)がブラインドをわずかに手で押し開き、その隙間を覗き込むようにして、ああっー、と驚きの絶叫があって、見えます、見えます、装甲

          「コロナ後の世界」には女はいない、あるいは、分別と多感②|重箱の隅から|金井 美恵子|webちくま
        • 「コロナ後の世界」には女はいない、あるいは、分別と多感④|重箱の隅から|金井 美恵子|webちくま

          鈍感という言葉の反対の概念は、繊細――敏感や多感――かもしれないのだが、それについて書く前に、しばらく前(’16年4月24日朝日新聞)に多少話題になった、国際NGOが公表した「報道の自由度ランキング」で日本は「世界72位」という記事(スクラップを入れた、箱のすみというか底から出てきたのだ)について触れておきたい。 横紙面のほぼ半分、縦五段の記事で、NGOの発表の「72位」というランキングについて国連の専門家が懸念を表明していることが報じられている。「政治の圧力とメディアの自主規制が背景にあると指摘」されているのだ。 当時、話題になったのかもしれないが、国際婦人年に発表された日本の女性のおかれた地位の低さに比べれば、メディアの自由度ランキング72位という事実は、すっかり忘れられているようである。 この記事の下には2段で、NHKの籾井勝人会長(前身は商社社長)が、熊本地震への対応を協議するNH

            「コロナ後の世界」には女はいない、あるいは、分別と多感④|重箱の隅から|金井 美恵子|webちくま
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