映画「そばかす」の舞台挨拶の様子。壇上には主演の三浦透子。 ホリデー・シーズンだ。Netflixを開くと、男女らしきふたりがにこやかに並び立つ、赤と白と緑のサムネイルばかりが目に飛び込んでくる。そのまま放っておくと勝手に予告が再生されるが、誰かと別れた旅行先でまた誰かと出会うだの、クリスマスまでに彼氏を作らないと死ぬだの、だいたいがそんな感じだ。 恋愛をしないと、意地を張っているとみなされる。モテないことの言い訳だと言われる。淋しいやつだと見下される。ロマンチックイデオロギーが猛威をふるう、恋愛をしない人間がどこか肩身が狭い季節である。 そのようなドラマや映画が視界に溢れてうんざりするのが例年の12月なのだが、今年の私は違う。今年の私には『そばかす』がある。この世にあの映画がある。【私たち】を語る作品がある。そう思うと、なんだか気が楽なのだ。 2022年12月16日、三浦透子主演の映画『そ