この満天の神仏世界には、有名な三界の笑いの種がある。 それは八百年前と伝えられている。中原の地にあった古い国、名は仙楽国。 仙楽古国は広い土地に豊かな物資を持ち、民の気質は穏やかで明るい。国には四つの宝があり、美人如雲、彩楽華章、黄金珠宝。そして、有名な太子殿下だ。 この太子殿下はどのようにいったらいいか、珍しい男子だ。 王と王妃は彼を”掌の中の明珠”ととても慈しみ、寵愛を深め、いつも自慢していた。「この子は将来必ず英雄となる、永遠に名を残すだろう」 しかしながら、俗世の王権や富に、太子はまったく興味がない。 彼が興味をひかれるのは、彼がよく自分で言っている言葉で話すと―― 「私はすべての人々を救いたい!」 ・ 若かりし頃から修行に励む太子には、広く伝わる出来事がふたつある。 第一の出来事は、彼が十七歳の頃に起こった。 その年、仙楽国では盛大な上元祭が行われた。 この伝説的な神事はもう数百