人生を変えた一局 (囲碁人ブックス) 小林覚さんは、第12期阿含・桐山杯、全日本早碁オープン戦決勝の井山裕太さんとの対局を選びました。 16才の井山さんに史上最年少記録の初タイトル献上した一局です。 当時、小林 覚さんは46才。 名人戦の挑戦者にもなっており、自身第2の打ち盛りとおっしゃっておりますことから、16才の少年に負ける気は毛頭なかったと思われます。 ところがいざ打ち始めると「この子はやはりすごいんだ」と思ったとあります。 今と一緒で打つ手打つ手が厳しい。 最善手をただただ目指すという所で、非常に透明感があるのですね。 きれいな水。僕みたいに汚れていると、形勢がよくなったり悪くなったりすることで打つ手が変わる可能性というのはあるのですが、彼はよくても悪くても最善を求める。 ですから、彼と打つと、勝っても負けても気持ちがいいのですね。 負かされても納得できる。 力もそうですし、囲碁に